葵 (源氏物語) (Aoi (Hollyhock) (The Tale of Genji))

葵(あおい)は、『源氏物語』五十四帖の巻名のひとつ。
第9帖。
巻名は光源氏と源典侍の歌「はかなしや人のかざせるあふひゆえ神のゆるしのけふを待ちける」および「かざしける心ぞあだに思ほゆる八十氏人になべてあふひを」に由来する。
謡曲『葵上』(世阿弥作か)の題材にもなっている。

あらすじ

桐壺帝が譲位し、光源氏の兄の朱雀帝が即位する。
藤壺の若宮が皇太子となり、源氏は東宮の後見人となる。
また、六条御息所と前東宮の娘(後の秋好中宮)が斎宮となった。

賀茂祭(葵祭、4月 (旧暦)の中の酉の日)の御禊(斎院が加茂川の川原で体を禊する)の日、身分を隠して見物していた源氏の愛人・六条御息所の一行は、同じくその当時懐妊して体調が悪く気晴らしに見物に来ていた源氏の正妻・葵の上の一行と、見物の場所をめぐっての車争いを起こす。
葵の上の一行の権勢にまかせた乱暴によって六条御息所の牛車は破損。
六条御息所は見物人であふれる一条大路で恥をかかされてしまう。
大臣の娘で元東宮妃である彼女にとってこれは耐え難い屈辱で、彼女は葵の上を深く恨んだ。

その後葵の上は、病の床についてしまう。
それは六条御息所の生霊の仕業だった。
源氏も苦しむ葵の上に付き添ったが、看病中に御息所の生霊を目撃してしまい愕然とする。
8月 (旧暦)の中ごろに葵の上は難産のすえ男子(夕霧 (源氏物語))を出産するが、数日後の秋の司召の夜に容体が急変し亡くなった。
火葬と葬儀は8月20日 (旧暦)過ぎに行われた。

葵の上の四十九日が済んだ後、源氏は二条院に戻り紫の上と密かに結婚する。
突然のことに紫の上は衝撃を受けてすっかりふさぎこみ口をきこうともしなかった。
が、源氏はこれを機に彼女の素性を父兵部卿宮と世間に公表することにした。

[English Translation]